バルセロナ、公園で音楽に耳を傾ける夕暮れ

今の仕事はカスタマーサポートで、しかもかなりデジタルに傾倒している。

お問い合わせに来るお客様もデジタル上で仕事をしていて、問い合わせ内容も当然デジタルだ。俯瞰して自分の仕事を見ると、やっていることは——PCとチャットをしているか、PCと電話をしているか——どちらかに集約される。物質的には何も生み出していないし、お問い合わせに来るお客様も、実のところ何も生み出してはいない。

これは極めてデジタル的な仕事だ、と思う。そしてこの傾向は年々強まっており、どこかで生活がアンバランスになっている気がしてならない。

デジタルと、アナログの、シーソー

前職は自動車関係だった。目の前で物質的なものが組み上がっていく、ある意味で極めてアナログな現場。当時は毎日「なぜこんなにものが作られ続けるのだろう」という疑問にも駆られていたが、同時にプライベートでは、動画編集や電子書籍の作成など、デジタル的な作業をするのが本当に好きだった

今になって思うと、あれはアナログな仕事と、デジタルな私生活で、無意識にバランスを取ろうとしていたのかもしれない。

今の仕事はデジタルに傾倒している。そしてここ最近、日常で「非効率なこと」をする時間が増えた。豆を挽いてコーヒーを一杯ずつ淹れる。小さなプランターで野菜を育ててみる。目的もなく人と会って、ただ時間を過ごす。効率という物差しではマイナスの行為ばかりだ。けれど、そうしていると何かが整う感覚がある。

こうして久しぶりに長文を書いていることも、おそらく同じ作用なのだろう。デジタルに傾きすぎた自分を、中央に戻すための静かな作業。

バルセロナで、見抜かれたこと

昨年、スペインのバルセロナで、日本でも有名な鍼灸師の方に施術をしてもらう機会があった。膨大な数の患者を診てきた方で、体を触れば、その人のことがわかる、と言っていた。

1時間半の施術で、かなり高額な料金だった。それでも「経験に勝る情報はない」と思って受けてみることにした。

一言目に言われたのは、こうだった。

こんなに脳圧が高い人は、見たことがない。
あなたの脳が直感的に求めているものと、体でやっていることが、違いすぎる。

落ち着いているように見えて、頭の中はいつも混沌としている。深く考えすぎ、時には強く怒り、しかしそれを社会の中では押し殺している——そうした内面の状態を、体を触るだけで見抜かれた

その先生の話はそこから続いた。人間には霊的な感覚があり、3次元だけでなく4次元にアクセスできる人もいる、と。動物から進化した私たちは今でも動物だ。そう考えれば、そういう直感や感覚的な能力を、もともと持っていたとしてもおかしくはない。第五感・第六感といった特殊な感覚を持つ人は、あたかもコンピュータがクラウドにアクセスするように、集合的無意識——アカシックレコードと呼ばれるもの——にアクセスしているのかもしれない、と。

にわかには信じがたい話だ。でも、それを淡々と語る先生の姿は、妙に印象に残った。

教会で、周波数が合った瞬間

その先生はバルセロナに詳しかった。「そういう感覚を感じられる場所はありますか」と尋ねると、サンタ・マリア・ダル・マル教会に行ってみてはどうか、と言われた。施術の後、脳圧が下がった状態で行くといい、と。

施術後、体が驚くほど軽くなった感覚があった。瀉血で悪い血を抜かれたことが効いたのか、まるで5歳若返ったかのような軽快な足取りで、早速その教会へ向かった。

サンタ・マリア・ダル・マル教会の内陣

中に入った瞬間、何かを頭の上から感じた。

うまく言葉にするのは難しいが、それはアナログラジオで周波数を合わせている時の、あの感覚に似ていた。ノイズの中をダイヤルを回していて、ある一点で番組にピタリと合う、あの音の質感。

それまでの人生で、スピリチュアルなことは自分には関係ないと思っていた。けれど、あの先生との出会いをきっかけに、バランスを保って生きることの意味について、少し違う角度から考えるようになった。

慢性ストレスと、精密栄養学の接点

話が長くなってしまった。

要するに、これは**「疑問に感じながら無理に続ける必要はない」**ということなのかもしれない。

当たり前のことだが、慢性的なストレスは健康にとって最も大きな負荷の一つだ。精密栄養学の観点から見ると、慢性ストレスは:

  • コルチゾールを持続的に上昇させる
  • インスリン感受性を下げ、血糖コントロールを乱す
  • HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の調律を崩す
  • 腸内環境を悪化させ、炎症性サイトカインを増やす
  • 最終的に代謝全体のバランスを崩していく

数値で追跡できる、明確な害だ。HbA1cが下がらない理由、中性脂肪が動かない理由、朝起きられない理由——これらの背景に慢性ストレスがあるケースは少なくない。

もちろん、短期的で建設的なストレスは人を成長させる。けれど、自分の直感が「違う」と言っているものを、何年も引きずる理由はどこにもない

スピリチュアルな感覚を信じるかどうかに関わらず。精密栄養学の枠組みを信じるかどうかに関わらず。おそらくこれは、すべての人に当てはまる。

人生は短い。やりたいことをやっていこう。

バルセロナの夕暮れ、丘の上から


※ 本記事は個人の経験と考察であり、医学的助言ではありません。健康上の懸念がある場合は医師にご相談ください。